鷹待ち山の小鳥たち
ハチクマの渡りを待つ山頂付近の木々には時折り小鳥たちも姿を見せ、いっこうに鷹が現れない時間帯の退屈凌ぎにそんな小鳥にレンズを向けることもある。この時期にこの辺りを通り抜けるコサメビタキや、少し遅れて現れるエゾビタキ。
この日は交互に同じ枝にとまってくれた。
大きさも色合いも、飛び方も似ているのだが、腹の縦筋模様ですぐに区別できる。
山頂すぐ下に張られた送電線にはお馴染みのヤマガラが。まだ結構強い日差しに焼かれながら待つ、鳥影のない午後に現れるてくれと、思わずレンズを向けたくもなる。見慣れた姿だが、くっきり黒白に塗り分けられ脇には茶色のアクセントを持つ綺麗な鳥だ。
羽を広げ飛び立つ瞬間をうまく捉えられれば・・と、しばし疲れを忘れる一時となる。
重なりあう緑の葉を揺らし小さく囀りながら、下の方から小鳥の群れが上って来る。その主体は大概メジロで、せわしく枝々を移りながら愛嬌ある姿を見せてくれる。小さな薄緑の塊に、目を縁取る白のアクセントが際立つ。
「ああ、またメジロか」と油断してると、群れの中には別の鳥が混じっていることも多い。あれ、何か色の違う鳥が顔を出したぞ!と思ってレンズを向けて待つと、近頃あちこちに広がっているという大陸産移入種のソウシチョウ。
私にとっては初見で色が綺麗な鳥だが、愛玩目的で持ち込まれて増えた移入種と聞くと嬉しさも半分くらいになる。知合いに写真を見せられて一度実物を見たいと思っていたが、その後も山頂付近では何度も見かけた。
別のメジロの群れが現れると、今度はまた違った緑っぽい小鳥が姿を見せた。目の近くの白は目を縁取るのではなく白い眉紋で、メジロよりは大きい。ムシクイの仲間である。
こちらの木の実にきてくれないかと待っていると、ゆっくりと枝を渡って全身を見せてくれた。嘴の色合いからメボソムシクイと判定。
さらに向きを変え、横向きの全景もサービスしてくれた。
他にもサンショウクイ・オオルリ・キビタキ・シジュカラ・コゲラ、そして海岸地域にいるはずのイソヒヨドリがこの山頂にまで飛んできてアンテナにとまったり・・・鷹を待ちながら、他の楽しみにも出会える山である。