草季想風

草に季節をたずね、季節に風を想う

カンムリカイツブリ

カンムリカイツブリは冬の河口や池でよく見かける鳥だ。遠目にも白くてよく目立つし、盛んに潜水を繰り返すしぐさも興味深く、見慣れたカモ類しか見つけられない時にはついレンズを向けて何枚か撮ってしまう。しかし、この日は初めて見る光景だった。

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いつもはあちこちに1羽ずつ散らばって泳いでいるカンムリカイツブリが、まとまった群れを作って泳いでいる。画面で10羽程度だが、20~30羽の群れが3つくらい全部で50~60羽を一度に目にすることは、初めての経験だ。逆光で影が黒っぽく見えたこともあり、一瞬カワウの群れかもしれないと思ったのだが、双眼鏡で顔を確認すると確かにカンムリカイツブリである。

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群れになって同じ方向に泳ぎながら、盛んに首を水に突っ込んで水中をうかがうもの、あちこちで水に潜ったり水面に出てきたりを繰り返すもの。

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時折り小さな魚をくわえて出て来るものがいる。

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満足したのか、羽を繕ったり、羽搏いたりするものも。

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おそらくこのカンプリカイツブリの集団の下には小魚の群れがいたのだろう。いつもはポツリポツリと一羽ずつ浮かんで餌を探しているカンムリカイツブリ、てっきり群れでの狩りはしないのだと思い込んでいたが、

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やはり数が揃うならカワウと同様に群れで魚の群れを追い、代わる代わるに潜って魚を捕まえるという方が効率良い狩の仕方なのかもしれない。