草季想風

草に季節をたずね、季節に風を想う

日記「季のみ、紀のまま」

紅葉

暖かい日が続いた秋の終わり、冬の寒さとの間をはっきり区別するかのように一気に木々が紅葉した。 ひんやりとした暗い林を行くと、木々の向こうに赤く輝くような見事な紅葉が見えた。ここが冬との境目だ・・と示すように、鮮やかな紅葉が行く手を遮っている…

メタセコイアの夕景

寒さが緩み始めた冬晴れの夕景、空気の澄んだ雲のない空が夜を待つグラデーションに塗り替えられていく。冬の晴れた夕暮れにはいつも目にして来たメタセコイアの冬のシルエット。このシルエットに添うように、宵の明星・金星が明るく輝いていることも多い。か…

楠の落葉

月が変わり桜が咲き始めると、楠の下に落葉が積もり始めた。 春風に散らされ、また吹き集められる楠の落葉を踏み、若い仲間たちが住み慣れた地を離れ新たな人生への一歩を踏み出して行く。 楠落葉踏み 旅立ちの君送る 古い葉が赤茶色に変わり散っていく一方…

春が来たらしい

日曜の午後、車を止めてボウっと空を眺めていた昼下がり、右方からハタハタと舞い上がった鳥影が入って来た。明らかに鷹だ。「ハイタカか?」・・その鷹はみるみる舞い上がり、悠々と舞いながら遠くへ流れ始めた。西に渡っていくハイタカかも知れないと思っ…