草季想風

草に季節をたずね、季節に風を想う

ベニヒワ

珍しい鳥が来ていたらしい。休みの日に「もしかしてまだ居るかも」と出掛けたが、残念。影も形も無い・・・というより、島は強い風でとても小鳥が飛び交うような状況じゃない。
「これじゃ、もしまだ居たとしても現れる訳もない・・・」と諦めた。それならせめて、盛りを過ぎてまだ咲き残るダルマギクの群落を撮って帰ることにした。
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撮り始めると、ダルマギクの花もまだ綺麗だし、バックの荒波がなかなか良い。そこで、もっといい波、波しぶきの場所を・・と、強風に煽られながら岬の先端へと進む。
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手前のダルマギクの背景として波を撮るには撮れるが、なかなか良いタイミングで撮れない。
岬の先の波間を船が進む。手前にはツワブキも綺麗な黄色い花を咲かせていた。
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もうちょっと海の近くへと、細い遊歩道を海の方へと下りて行った。すると、風に飛ばされながらやって来た小鳥が、すぐ近く、遊歩道に張られたロープの上にとまった。色合いから、目当ての鳥でないことはすぐに分かったが、この風の中でやっと出会った鳥だから、せめて写真1枚でも、とファインダーを覗いた。見かけぬ鳥、初めて見る小鳥が、強風に耐えてじっとロープに掴まっていた。
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初めて出会う鳥だ、と分かり少し真面目に撮ろうとする。カメラに夢中になっていると、時折の強風で倒れそうになった。波しぶきは飛んでくるし、じっと立っているだけで倒されそうになりながら、それでも何枚か写真に収めた。
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こっちを向くと、頭のてっぺんに赤い帽子が載っていた。羽毛が風に煽られ、頬が膨らんで何処か不機嫌そうな顔。後で写真で確かめると、頬のあたりが薄っすら赤くなりかけていて、ベニヒワ雄の若鳥だと分かった。
 しばらく黙って撮らせてくれたが、やがてロープから飛び立つと、すぐさま風に飛ばされ、慌てて地面に避難した。
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しばらく草の実か葉を啄んでるように見えたが、人に気づいて飛び立ち、あっという間に風に吹き飛ばされ20~30m向こうの茂みに消えていった。