キセキレイ
キセキレイは特に秋の鳥ではない。それ以外の季節に通りすがる場所ではハクセキレイやセグロセキレイばかりなので、鷹の渡りの時期、山への道で出逢うキセキレイが秋を感じさせる鳥となってしまった。
湿った暗い道を上がる途中、ヒラヒラと飛び上がる白っぽい鳥がしばらく道案内をしてくれる。飛び上がって初めて気づくのだが、最初は5mくらい先に下りて車を待つ。
近づくとまた飛んで、今度は10m先へ。
車を停めると、注目を意識したかのように緑の草をぬって歩き廻り、時々立ち止まって尻尾を上下に振る。
長い尻尾を上げると、腹部の黄色が一際目立ち背景に映える。
苔生した道路脇をチョコチョコ歩き、
しっとりした苔の緑に黄色のアクセントを添え、”撮ってね・・”とでも。
ずっとついていくと濡れた木漏れ陽に立ち止まり、光る緑をじっと見つめてポーズを取ってくれた。