草季想風

草に季節をたずね、季節に風を想う

ツバメチドリ

夏が終わる頃。そろそろツバメの大群の塒入りが話題になり、渡りの気配も届く頃だと思っていたら、聞こえてきたのはツバメチドリという名前。初見となる私としては、ともかく写真一枚でもと出かける。「動かないので見つけるのが大変」と聞いたとおり、教わった場所に着いても先ずは何も見つからない。田んぼの向こう側にもツバメチドリ目当てらしき人影があり、多分いるのだろう・・。カメラを持って車を下り、そっと見渡して見た。・・・まず一羽発見。
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一羽見つけるとコツが分かり何羽か見つかったが、見えてなかった個体が飛ぶと、一気に飛び去る。しまった・・。しかし待っていれば戻ってくるとの教えに従い、車で1時間。やがて、いつ戻ったのか知らぬ間に田んぼの向こうに一羽発見、さらに周囲に7・8羽が。さらに気をつけてゆっくり回り込むと、今度はこちらに気付いたもののじっと飛ばずに撮らせてくれた。
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幼鳥だけしかいないと聞いたが、初見の私にはそれでも十分。でも、成鳥のあでやかな姿を図鑑で見ると少し残念か。
 しばらくじっとカメラを向けていると、次第に警戒を解いたのか、一羽が羽繕いを始めた。
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でもそれ以外は、チョコチョコ歩くでもなく隠れるでもなく、我慢比べのようにじっと動かない。
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野生との根比べに町の人間が勝てるわけない。これ以上は変化なしと観念し、ゆっくりと後ずさる。それを見てこちらに廻ってくる人に場所を譲り車へと戻る途中、またもや別の所から2・3羽飛び立った。
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曇り空が残念だが、とにかく飛ぶ姿も撮れた。「何だ、ツバメに似てないじゃないか」とは鳥に興味の無い知人の弁だが、写真を整理しながら、いやいや何処と無くツバメを思わせるような気もする。でも、ちょっと太りすぎ。やはり"ツバメ”ではなく”チドリ”なのだから。
 そう言えば「どことなくケリに似た雰囲気ですね」と、県外からのお客さんが言っていた。まだケリを見たことの無い私には”ケリのつかない話”である。