草季想風

草に季節をたずね、季節に風を想う

白いツバメが来た

夏の終わり、白いツバメ(つまりアルビノがいるというので探しに行った。田んぼの稲すれすれに飛び回る白いツバメは、双眼鏡で一度見渡しただけですぐに見つかった。
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早速カメラを取り出したが、ツバメの飛翔は何しろ速い。その上、ひっきりなしに方向を変え、まっすぐ飛んで来たかと思えば、ふいに上空へとジャンプ。で、ヒラリと体を返して稲すれすれに下りて来たかと思うと、凄い速さで遠ざかる。私の腕前で良い写真には程遠いが、折角の出会いなので挑戦してみた。
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撮っていて意外だったのは、長いこと同じ田んぼの上を飛び続けたこと。もっとあちこちの田んぼを飛んで餌を探し、さらに餌場を変えて離れた所に行ってしまうものと思っていた。混じって飛ぶ普通のツバメの方は、追っかけようにも個体識別が出来ず、同じツバメが戻ったのか、どこかで別個体と入替わったのか全く分からない。
 しかし、白いツバメは遠くからも良く目立ち追跡が容易なので、遠くに行ってしまったように見えても数分後にはもう同じ田んぼに戻って来たというのが一目瞭然だ。

もう一つは、撮った写真を見て気づいた。中に、ツバメが口を開けジャンプのように飛び上がっているものがあったのだ。
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その後、身をくねらせながら口を閉じ、
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そのまま、惰性に任せて体勢を整えているようにみえる。
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最初は口を開けて囀ったのかと思ったが、動きがどこか腑に落ちない。次に思いついたのは「虫を摂ったのではないか」ということ。
残念ながら、標的の虫が写ってないので何とも言えないが・・。
 稲すれすれに飛び回り、上を飛ぶ虫を空を背景に見つけて飛びつき捕食するのではないか? 水平に飛び回り時々ジャンプするように飛び上がるのは、実は餌を見つけ下から襲いかかる行動では? 稲や風景を背景とした小さな虫を探すよりも、空や雲を背景にして黒い点を探すほうが見つけやすいのではないか。つまり、ツバメが低く飛ぶのは、餌となる虫たちよりも下を飛び下から標的を襲うためではないか・・と考えた。 何とかツバメを撮そうと何枚もシャッターを切ったおかげで、そんなことまで考えてしまった。いつか、機会があれば、ツバメの捕食行動を撮ってみようか・・など思いつつ、とりあえず今季はここまで。

ところで、飛翔姿が何とも格好良い綺麗な白ツバメが、電線にとまってくれた。さぞかし綺麗な真っ白の鳥を想像してレンズを向けたが、とまった姿は所々が薄黄色く色がつき、頭も丸くテルテル坊主みたいでどこかみすぼらしくさえ見えた。
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飛んでいる時は羽毛が風圧で抑えられ、先の尖った鋭い飛翔姿に変わるのだろう。