草季想風

草に季節をたずね、季節に風を想う

コウノトリ

歯の治療後、せっかくの週末に家で麻酔が切れるのを待つだけじゃ気も晴れず、まだ口に痺れが残る中で、とりあえず近くの干潟を一回りするくらいのつもり出かけた。脇道に入るとき、道端の田んぼに白い鳥がいるのを見つけた。いつものコサギダイサギ?としばらく走りながら観察、枝間から見える姿は後ろ半分が黒い。こりゃ違うなと二度見した後、ひょっとしてコウノトリ!?と興奮し車を止める。

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とにかくまずは証拠写真、気付かれないように反対側の運転席から出てそっとカメラを取り上げる。車に隠れながら、潅木の枝間に見える姿を1枚撮る。少し動いてさらに2枚取ったところで、それに気付いたコウノトリはゆったりと舞い上がる。優雅に羽ばたきながら、離れた田んぼに舞い降りてくれた。

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また飛ばれては困るので、あとは遠くから撮ることにした。一本足で立ち、そこでしばらく休むつもりのようだ。姿勢が変わったところで何枚か・・・とカメラを構えたが、急にカメラが反応しなくなってしまった。電池切れ。おまけに予備の電池までも充電忘れ。肝心な時だというのに、写真が撮れないことを悟る。
 歯の治療後で歯茎がチリチリ痛み、さして気分も乗らないまま注意散漫に出掛けてきたことを後悔。こういう時にこそ肝心の出逢いが訪れるとは、いつも思っていたはずなのだが・・・。近辺で目撃情報を聞く度に、一足遅れでその姿を探したりしたが出会えたことのないコウノトリだった。やっと独占撮影会のチャンスに巡り会えたというのに、そこで電池切れとはあまりにも初歩的なミス。

ここは一先ず家に戻り、充電してから出直すしかなかった。コウノトリが、このまま夕方までこの付近に留まってくれることを願いながら。

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夕方戻ると、コウノトリは隣接する川の河口干潟で餌を探していた。間に合った・・・と何枚かは撮ったが、辺りは徐々に暗くなる。結局、嘴に獲物を咥えた姿を撮ることは叶わなかった。でも、ともかくはコウノトリを初見できたのだから、それで良しとしよう。