草季想風

草に季節をたずね、季節に風を想う

シロチドリ親子、その4

少々忙しい日が続き、シロチドリ親子のその後が尻切れになってしまったが、やはり巣立ちの最後を書いておかなければ・・と、1ヶ月半遅れで続きをupすることにした。
 5月末、シロチドリの雛たちは一目では親と区別できないくらいに成長していた。餌を摂る時は浜に散らばって一羽で歩き回るが、いっとき過ぎると一家5羽が浜の一角に集まり点呼確認しているようだ。
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こちらの耳には聞こえてこないが、親鳥が何かの合図を出し集めているのだろうか?
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はて、今度は6羽いるのだが・・?。どこかから雛1羽が紛れ込んだらしい。そういえば、隣の浜のシロチ一家の姿が見えないようだが、この雛は隣浜一家の末っ子なのか?。
 一家集合の後、雛たちは打ち上げられた海藻の山に登って凹みを作り、その中に座り込んで海を眺める。そうしていると、そこに鳥がいると知っていない限り、双眼鏡で見ても容易に気付かない。
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休憩中の雛は、・・・ヒラヒラと傍を通り過ぎるアゲハ蝶を眺め、
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座り疲れると、凹みの縁に立ち羽と足を伸ばしてバランスストレッチ。
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背中(腰?)が痒ければ器用に足で掻くこともできる。足があんなに後ろに回るとは知らなかった。
 時々は、目の前の水溜りに下りて行って水浴びも。
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もう仕草は親鳥とほとんど変わりなく、いつ他の浜へと飛び去ってもおかしくないところまで来たようだ。そのせいか、しきりに羽を伸ばす仕草も多くなった。
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雛が行動範囲を拡げ飛び回るようになると、それだけ親鳥の心配も増すのだろうか。
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浜を散歩する人が近づくたびに、♂親がわざと目立つように飛び回っり反対側の草地に下りる。そして、目を引くように羽を下げてバタバタと歩き回って”怪我をした”振り。最初の頃よりも雛が育ってからの方が、頻繁にこの仕草に出くわす気がした。

ところで、観察し続けると、中の1羽と他2羽に育ちの差に気づくようになった。
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他の2羽の雛に比べ、どことなくおとなしく頼りなさげに見える。6月に入ると、この浜のシロチドリが親鳥2羽を含めて3羽になっていたので、多分、育ちの早い2羽が先に巣立ったのだろうと思う。
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親鳥は末っ子が十分に育つまで一緒に見守っていたようだ。最後にこの親子を見た日の帰り際、3羽が揃って飛び立つと浜の向こう端の岩場を超えて行った。毎日のように来ればそこに居たシロチドリ親子、だがついに生まれ育った浜を出て広い海を巡る時が来たのか、と小さな感慨で見送る。
 以後、夏の浜で見たのはオオメダイチドリらしき1羽のみ、シロチドリたちはまだ瀬戸内の何処かで過ごしているだろうか。