草季想風

草に季節をたずね、季節に風を想う

シロチドリ親子、その3

シロチドリの雛たちの成長が気になり、時々様子を見に行った。5月の下旬には砂地の草叢から転石の浜へと頻繁に出かけ、石ころの間を歩きながら餌を探すようになった。時々、砂の中から何か長いものを引っ張り出すように背伸びする。何をしているのか気になって何度か撮って見ると、確かに細く半透明な長い物を引っ張り出して食べている。イソゴカイか何かの若いやつだろうか。
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そんな所にゴカイが居るとは思っていなかったが、頻繁に食べているのでかなり居るらしい。今度、虫眼鏡を持って探してみようか。
 雛たちはしっぽ近くに黒っぽい羽が少しのぞくようになり、風切り羽根も生え揃いつつあると推測させる。
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ある日の干潮時、いつもの草叢に一羽の姿もなく「もうどこかに巣立っていったかな」という思いも頭をよぎる。諦め気味に他のシギたちを探して遠い水際を眺めていると、薄緑に短い藻に被われた岩場の上に数羽シロチドリが餌を啄む姿があった。
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突堤づたいにそっと近づくき、その岩周辺で5羽のシロチドリを確認した。突堤の向こうの浜でも、転石の上で4・5羽のシロチドリが集まり飛び上がっては追っかけっこをしている。隣浜のシロチ親子もちゃんと育っているのだ。ということで、この5羽のうちの3羽は例の雛たちに違いない。観察を続けると、大きさや羽毛の質感でまだ何となく親鳥と区別できる。
 ある雛は羽を羽ばたかせて隣の岩へと飛び移るが、
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別の雛はまだ羽撃きに自信がないらしく、胸まで浸かりながら水中を歩いて来る。
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雛の育ち具合も皆同じではないようだ。そんな雛たちに「お前たちも早く飛べるようになれよ!はい練習、練習!」とでも言いたげに、親鳥たちが雛の頭をかすめて飛び込んで来る。
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「父ちゃん、母ちゃん、まだやめてよ!」と雛たちが頭を下げ、思わず翼を広げてバタバタ。しかしその30分後、一羽の雛が私のすぐ横を沖に向かって50mくらい飛行した。
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親鳥と違い、翼の先が尖っていない。風切羽がまだ短いのだろう。