草季想風

草に季節をたずね、季節に風を想う

シマアジ

3月が終わる頃にシマアジがやって来た。これまでは、シーズンに2度見れるかどうかで、なかなか会えない鳥だ。出会えても遠くに1羽だけとか、葦の向こうに見え隠れするのを草間から何とか判別できる程度の写真しか撮れなかったり。ところが、今年は近くでしっかりと見られる場所に居た。しかも雄雌合わせて10羽ちかくも居る。

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雄だけでなく、雌の姿もはっきりと識別できた。

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雄ほどではないが、雌の眼の上にも薄っすらと白い眉斑がある。

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 オナガガモハシビロガモなど多くの他のカモが居て、それらに混じることで安心して過ごしているように見える。

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水辺まで行ってカメラを構えると、少しだけ距離を取ろうとはするものの十分撮影可能な距離で餌を探し始める。

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何を食べているのかつぶさには分からないが、水連の葉の下に頭を突っ込んで絶えず何かを探しているようだ。

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出会ってから一週間くらい経っても、今年のシマアジはまだ同じところに居続けていた。風の無い日には、その姿が静かな水面に映つる。

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正面から見る顔はなかなかひょうきん。

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今年ここで出会ったシマアジたち、これまでの苦労が嘘のように2週間以上の間、いつ行ってもその姿をゆっくりと堪能させてくれた。やがてオナガガモが去り、ハシビロガモコガモも北に帰った4月半ば過ぎになっても、明るい陽に照らされた池の隅の泥の上で、シマアジたちだけがのんびり昼寝をしていた。

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シマアジたちの渡りは実はこんなにゆっくりとしたものなのか? それとも、よほどここが気に入ってつい長居してしまったのか? もし気に入ったなら、是非来年も御一行様でのんびり長逗留して欲しいものである。